――音楽との距離が少し変わった一年の記録――
「音楽は好きだったはずなのに、いつの間にか聴くだけになっていた」
そんな感覚を持ったことがある人は、きっと多いと思います。
忙しさや生活の変化の中で、歌うことや楽器を弾くことが、少しずつ後回しになっていく。
今年よく聴いていた曲を振り返ると、それは単なる“お気に入り曲”ではなく、
音楽との距離を取り戻す順番だったことに気づきました。

第5位:ケセラセラ / Mrs. GREEN APPLE
この曲は
「今の自分を否定しなくていい」
そう言ってもらえる一曲です。
良いとか悪いとか、上手いとか下手とか、
つい自分に向けてしまう評価を、そっと脇に置いてくれる。
studio bankのボイトレでも
「ケセラセラを歌いたい」という声はとても多く、人気曲であると同時に、
“今の自分を受け入れたい人が選ぶ曲”だと感じています。
自分らしくいれば、なんとかなる。
無理に変わらなくても、前に進める。
音楽を再開する入り口として、これ以上やさしいメッセージはないと思います。
第4位:What’s Going On / マービン・ゲイ&Donny Hathaway
この曲は
R&Bを学ぶ人の間で
「洋楽を歌うならまずコレ」と昔から言い伝えられてきたような存在です。
派手なテクニックがあるわけではないですが、
音の置き方、間、グルーヴ。
すべてが基礎。
僕自身、「もう一度、1から鍛え直そう」と思って、この曲をたくさん聴くことにしました。
新しいことを足す前に、土台を整える。
この曲は、その姿勢を教えてくれます。
第3位:ブルーアンバー / back number
この曲は
あるドラマの主題歌でした。
メロディを聴いた瞬間から、理由は分からないけれど、
強く引っかかるものがあった。
そして歌詞を聴いて、さらに心に入ってきた。
胸の奥にしまい込んできた感情。
時間と一緒に積み重なってきた想いや後悔。
きれいとも、汚いとも言えないもの。
終わってしまった時間や愛も、自分の中では消えずに残っている。
この曲は、
そうした感情に無理に答えを出さず、
ただ「そこにある」と認めてくれる曲です。
第2位:差し色 / Bialystocks
この曲は
LIVEで生で聴いたことで、印象が大きく変わりました。
音源で聴いていたときも良かった。
でも生で聴いた歌は、歌唱力のギャップを感じるほど別物だった。
この曲を聴いていると、
なぜか自分だけの情景が勝手に浮かんでくる。
それは、
メロディ・歌詞・声質、すべての表現力が自然に重なっているからだと思います。
気づけば、
「聴いていた曲」から「歌ってみたい曲」に変わっていました。
今では、
カバーしたい曲の1つとして、練習しています。
第1位:I wonder / Da-iCE
アップテンポで、キャッチー。
一見すると軽やかに歌えそうな曲です。
でも実際に歌うと、
サビの音域が絶妙に高い。
高すぎないのに、簡単じゃない。
自分の苦手なものが、全部詰まっている。
だからこそ、今の自分にはちょうどいい曲です。
久しぶりに歌う立場としては、逃げることもできる曲なのに、なぜか何度も練習してしまう。
「ギリギリ歌えない」
その感じが、逆にいいのかなと。
今の自分と向き合うには、これ以上ない一曲です。
音楽を再開する人へ
いきなり上達しなくていい。
いきなり結果を出さなくていい。
音楽は、
・受け入れて
・立ち返って
・向き合って
・憧れて
・挑戦する
その流れで、自然に戻ってくると思います。
音楽をもう一度始めたい人へ
studio bankは
沖縄で音楽を再開したい人、ボイトレ初心者のための音楽スタジオ/レンタルスタジオです。
評価される場所でも、競う場所でもない。
久しぶりに声を出す。
うまくいかなくても、また試す。
そんな時間を、大切にしています。
